【海沿いの家は虫だらけ?】フナムシ・ムカデ…嫌な虫を家に「入れない」ための鉄則

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「海の近くに住みたいけれど、虫が大の苦手」という悩みを持つ方は非常に多くいらっしゃいます。一方で、「潮風には塩分が含まれているから、虫は寄り付かない」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。もしそれが本当なら、虫嫌いな方にとって海沿いは天国のような環境と言えるでしょう。


しかし、残念ながらそれは誤解です。現実には、海沿いであっても虫は出ます。むしろ、海沿い特有の湿気や植物環境を好む種類の虫も存在するため、山間部とは違った意味での対策が必要です。「虫がいない」という期待だけで移住を決めてしまうと、入居直後に見たこともない虫に遭遇し、パニックになってしまう可能性があります。


とはいえ、過度に恐れる必要はありません。虫が発生する環境要因と、家の中への侵入経路さえ正しく理解していれば、遭遇率を限りなくゼロに近づけることは可能です。重要なのは、薬剤で退治することよりも、物理的に「入れない」家づくりをすることです。この記事では、海沿いの虫事情のリアルと、プロが推奨する根本的な防虫対策について解説します。


【目次】

- 「潮風で虫が来ない」は迷信? 海沿いの真実

- 遭遇しやすい「海特有の虫」と「危険な虫」

- 殺虫剤不要? 虫を入れない「高気密」という発想

- 庭と照明で変わる! 虫を寄せ付けない外構テクニック

- 大平工業が約束する「隙間のない家」とシロアリ保証

- まとめ&虫に悩まない暮らしの相談




■ 遭遇しやすい「海特有の虫」と「危険な虫」


・ 見た目のインパクト大「フナムシ」の正体

海沿いの家、特に海岸線に近いエリアで最もよく見かけるのが「フナムシ」です。ゴキブリに似た動きと見た目をしているため、不快害虫として嫌われる代表格ですが、実は人間に害を与えることはありません。彼らは海岸の岩場などに生息し、有機物を分解する役割を持っています。家の基礎周辺や玄関先で見かけることはありますが、基本的に乾燥した室内を好まないため、家の中で繁殖することは稀です。「見た目は怖いが、家を壊したり刺したりはしない」と知っておくだけでも、精神的な負担は軽くなるはずです。



・ 湿気を好む「ムカデ」と「クモ」

海沿いは湿度が高く、強風が吹き付ける日が多いのも特徴です。洗濯物を外に干しても乾きにくかったり、潮風でベタついたりすることがあります。また、湿気がこもりやすいため、カビ対策や換気計画が不十分だと、クローゼットの中の衣類や革製品がカビてしまうこともあります。さらに、台風シーズンなどには強烈な風が建物に当たり続けるため、飛来物による窓ガラスの破損リスクや、屋根・外壁へのダメージも考慮しなければなりません。



・ 家にとって最大の敵「シロアリ」

見た目の不快さ以上に恐ろしいのが、家の構造自体を食べてしまう「シロアリ」です。シロアリは湿った木材を好むため、湿度の高い海沿いのエリアは警戒地域と言えます。特に「ヤマトシロアリ」や、近年被害が拡大している外来種の「アメリカカンザイシロアリ」は、発見が遅れると家の耐震性を著しく低下させます。目に見える虫対策も大切ですが、見えない床下や壁の中で進行するシロアリ被害への対策こそ、海沿いの家づくりでは最優先事項となります。




■ 殺虫剤不要? 虫を入れない「高気密」という発想



・ 虫はどこから入るのか? 「隙間」の科学

多くの人は虫を見つけると殺虫剤で駆除しようとしますが、それは対症療法に過ぎません。根本的な解決策は「侵入経路を断つ」ことです。一般的な住宅には、目に見えないレベルの「隙間」が無数に存在します。配管周り、窓のサッシ、基礎と土台の間など、ハガキ数枚分の隙間があれば、ムカデやゴキブリは容易に侵入可能です。つまり、虫が入ってくる家というのは、それだけ「隙間が多い家」であるとも言えるのです。



・ 「C値」にこだわれば虫は入れない

ここで重要になる指標が、家の気密性能を表す「C値(相当隙間面積)」です。この数値が小さければ小さいほど、家に隙間がないことを意味します。高気密住宅としてしっかり施工された家は、物理的に虫が入り込む隙間が極限まで減らされています。「虫嫌いだから高気密住宅にする」というのは、あまり語られませんが、実は非常に理にかなった選択です。隙間をなくすことは、断熱性能を高めるだけでなく、最強の防虫対策にもなるのです。



・ 換気扇や網戸の仕様も見直す

隙間以外の侵入ルートとして盲点になりやすいのが、換気扇や網戸です。プロペラファンの換気扇は、停止時に外とつながってしまうため虫の入口になりやすいです。必ずシャッター付きや、ダクト式の換気システムを選びましょう。また、網戸のメッシュの細かさも重要です。一般的な18メッシュでは小さな羽虫が通り抜けてしまうことがあるため、より細かい24メッシュや30メッシュを採用することで、微細な虫の侵入もブロックできます。




■ 庭と照明で変わる! 虫を寄せ付けない外構テクニック

家の中への侵入を防ぐ「気密」の次は、そもそも家の周りに虫を寄せ付けない「外構」の工夫です。虫が集まる原因は、主に「光」「隠れ場所」「湿気」の3つです。これらをコントロールすることで、玄関ドアを開けた瞬間に虫が入ってくるリスクを大幅に減らすことができます。


まず「光」についてですが、虫の多くは紫外線を含んだ光に集まる習性(走光性)を持っています。玄関灯や門灯には、虫が好む紫外線領域の波長をほとんど出さない「LED照明」を採用するのが鉄則です。一般的な蛍光灯と比べて、虫の誘引率を劇的に下げることができます。さらに、人感センサー付きにすることで、必要な時だけ点灯させ、虫が集まる時間を最小限に抑えるのも有効です。


次に「隠れ場所」と「湿気」の対策です。植物が多い庭は素敵ですが、家屋に密着するように植栽を配置すると、そこが虫の待機場所になってしまいます。家の基礎周辺には砂利を敷いて乾燥状態を保ち、植栽は建物から少し離して配置することをおすすめします。また、ウッドデッキの下は湿気がこもりやすく、ムカデや野良猫の住処になりがちです。下をコンクリートで固めたり、風通しを良くする構造にしたりすることで、不快な生き物が寄り付かない環境を作ることができます。

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■ まとめ&虫に悩まない暮らしの相談

「海沿いは虫が出るから諦める」必要はありません。確かに自然豊かな環境ゆえに虫は存在しますが、現代の住宅技術と適切なプランニングがあれば、家の中を「聖域」として守ることは十分に可能です。


ポイントは3つです。「高気密な家で物理的に隙間をなくすこと」「外構計画で虫を寄せ付けない環境を作ること」、そして「湿気対策と保証がしっかりした工務店を選ぶこと」。これらを徹底すれば、虫嫌いな方でも安心して海沿いの暮らしを楽しむことができます。


「今の土地候補で虫対策はどうすればいい?」「もっと詳しい気密性能の話が聞きたい」など、少しでも気になることがあれば、ぜひ大平工業にご相談ください。あなたの不安を一つひとつ解消し、理想の住まいを形にするお手伝いをさせていただきます。


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